沖縄よりもさらに南を感じさせる、中野充都里さん作品は、本来魔除けの役割を持つシーサーが、「魔」までも癒してしまうのではないかと感じるほど、優しい表情をしている。「これでも頑張って怖い顔をしてるんですよ」と笑いながら語る充都里さん。島次郎工房の作品は、充都里さん一人が、スローライフの中でゆっくり創作されている。それだけに数に限りがある上に個性的なため、店頭に並んでも直ぐに入荷待ちとなる。そんな中でも、ライフスタイルを変えることなく、ゆっくり、じっくり仕事に取り組む姿勢が、作品ひとつひとつに息吹を感じる理由だろう。自分の中で納得が出来る作品を追い求めて、独学の部分と伝統の技術を融合させて試行錯誤を続けている。きっとゴールはないのだろう。シーサーという規制のない伝統工芸を追求するには、沖縄を深く知り、理解して、形にするしかないそうだ。
スローライフの中で創られた、妖精のようなシーサー。島次郎工房のシーサーは、手にふれたくなる温もりを感じさせる。
キジムナー
※左写真中央は、沖縄の精霊「キジムナー」
ガシュマルの樹の精霊で、赤い体にフサフサの赤毛のいたずらっ子。魚の目玉が大好物。ブナガヤーとも呼ばれている。沖縄ではシーサー同様、古くから語り継がれている精霊である。人なつっこくて「遊んでくれ」とせがんでくる。一度友達になると、毎回海の魚をどっさり土産に持ってくる。友達になるとオンブして海の上を走ったりしてくれる。ただ一つだけ注意しないといけないのが、オンブされている時に屁をすると、どんな深い海の上でも落とされる。屁にだけは気をつけろと古から語り継がれている。
