読谷村北窯の、【やちむん】をご紹介します。やちむんは、素朴で温もりがある日用雑器として、沖縄で親しまれている陶器です。

やちむんの里「北窯」

やちむんの里は焼物が盛んな沖縄の中でも有名な、窯元の集合体だ。大きくは中堅の作家と若手の作家の2つの共同釜で構成されている。ここで紹介するのは若手陶芸家4人が窯を持つ「北窯」読谷山焼北窯、宮城正享さん、與那原正守さん、松田米司さん、松田共司さんの共同窯だ。

四人四様の作風
北窯の魅力は四人四様の作風。数々の賞を受賞する個性あふれる作家が、共同で窯を持つ北窯の窯出しには、多くの人が集まり競うように仕入れて行く。北窯は今から遡ること17年前、四人で1年6ヶ月かけて開いた窯だ。その登り窯の全容は圧巻。13連窯は全国でもそう滅多にお目にかかれない。陶芸ファンなら一度はお目にかかっておきたい代物だ。
松田 米司
1954年沖縄県読谷村に生まれる
1973年那覇市首里 石嶺窯にて作陶従事。1979年共同釜「大嶺工房」にて作陶従事し、1990年北窯13連房を開く。1995年日本民藝館展入選、以降数々の賞に輝き精力的に個展を開催

松田 共司
1954年沖縄県読谷村に生まれる
1974年那覇市首里 石嶺窯にて作陶従事し、1980年大嶺工房に勤務。1990年北窯13連房を開く。1994年日本民藝館展入選、以降数々の賞に輝き精力的に個展を開催。2002年米国ロサンゼルスにて、作品を出展。

與那原 正守
1950年沖縄県与那城町に生まれる
1987年読谷山焼共同窯「大嶺工房」に従事し、1990年北窯13連房を開く。1996年セーヌ画廊にて個展。1998年大阪、窯楽にて個展。2000年リウボウ美術サロンにて個展。その後精力的に個展を開催し、現在に至る。

宮城 正亨
1950年沖縄県那覇市に生まれる
1975年読谷村焼共同窯、山田工房で作陶。1990年北窯13連房を開く。数々の賞に輝き精力的に個展を開催。


沖縄のやちむんの魅力
「やちむん」とは沖縄の方言で「焼物」を意味する。その魅力はあくまでも「日用雑器」であり、芸術作品では無いと、作家自らがそう意識しているところだ。それは価格にも反映していて、若者から目利きまで、幅広い年代に支持されている。その伝統技法を学ぶ為に、全国から多くの若者が修行に訪れている。この北窯もまた、そんな御弟子さんたちで活気にあふれていた。

 そんな中、残念なことに本土ではその作品と出会う事は滅多にない。単価が手頃なせいもあって、大量生産でないと輸送賃とのバランスが取れないからだ。その為、読谷山焼はいつも多くの観光客でにぎわっている。

若手作家の苦労
若手作家と言っても決して若くない。しかしやちむんの歴史は永く深い。数々の賞を受賞している彼らも、自らをヒヨッコと称していほどだ。それは彼らが「沖縄伝統工芸」を守ると同時に、若者達に技法を継承して行くという使命を持って取り組んでいるからだ。この職人魂が、脈々と受継がれたやむんちの現在を支えているのだろう。「伝統技法を守りながら、自分らしい作風を模索する」。その生みの苦しみの連続だと彼らは語る。